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2008年02月12日

SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)における防災対策の重要性

前消防庁次長
東尾 正

流通が高度化し、サプライ・チェーン・マネジメントが進展すると、いわゆる「在庫を持たない経営」が可能となります。それが経営効率を高め、ひいては企業収益の押し上げに寄与するともいわれています。

しかし、その効率化を突き進めると、火災や地震などの災害のときに思わぬ損害をこうむることになります。

新潟県中越沖地震での自動車部品工場の操業停止により国内の大手自動車メーカーが自動車生産ができなくなり、あわてて復旧支援を行った事例もあります。

2007年末には茨城県のエチレン製造工場で火災が発生し、従業員4名が亡くなる事故がありました。関係者が原因の究明と再発防止に努力しているところですが、この事故が近県の化学工場に与えた余波は小さいものではありません。エチレンを独占的に供給していた工場の操業停止により、その製品に依存して在庫がなくなったところは、別のところから材料を仕入れなければいけません。そのために仕入れコストが増大し、競争力が低下するところも出てくるかもしれません。

したがって、真に効率的な経営を進めるためには、自社が被災した場合だけではなく、自社が必要とするものを供給しているところが被災した場合にどうするか、事前に検討しておくことが重要になってきます。

地震災害の場合には、緊急地震速報により大規模地震の発生をいち早く知ることができます。重要な取引先の被災が想定されるとき、瞬時に他社に先駆けて緊急の対策を行うことも考えておかなければなりません。

BCP(事業継続計画)などにより事前の計画をしっかり立て、緊急地震速報などの必要な情報をすぐに得ることができるようにしておくことが重要です。